日々、目まぐるしく変わっていくインターネットの世界。2025年も様々な動きがありました。本記事では、今年に起こった変化について振り返っていきます。
- 1月上旬:Googleキーワードプランナーで検索ボリュームが表示されないワードが増加
- 1月16日:Google検索仕様変更
- 2月〜4月:AIクローリング・トラフィック増加
- 6月上旬:国別ドメインが「google.com」にリダイレクト
- 6月頃:Googleの「AIによる概要(AI Overviews)」がテスト的に運用開始
- 7月下旬:Yahooサジェスト一部規制解除
- 8月5日:パソコン版「Yahoo!検索」でAIアシスタント機能と生成AIによる回答表示機能を提供
- 8月11日:Bing検索APIの廃止
- 8月26日~9月22日:Googleスパムアップデート(August 2025 spam update)
- 9月9日:Google検索窓に「AIモード」ボタン追加
- 9月9日:LINE AIトークサジェスト機能提供開始
- 9月中旬:Google検索が&num=100パラメータを廃止
- 10月上旬:Googleスポンサー枠が開閉式に
- 9月18日:Yahoo!JAPANトップページに「AIアシスタント」追加(PC環境)
- 10月14日:windows10サポート終了
- 11月7日:LINEのメッセージ送信取り消しの仕様変更
- 11月10日頃:一部環境にてGoogleのUI変更
- 11月下旬:Yahoo検索窓に「AIアシスタント」表示(スマートフォン環境)
- 来年以降はどうなる?
1月上旬:Googleキーワードプランナーで検索ボリュームが表示されないワードが増加
今年に入ってから、今までは月間検索ボリュームが表示されていたキーワードのうち、いくつかのジャンルにおいて結果が表示されなくなりました。
傾向としては「医療系」、例えば歯科治療に関わる「インプラント」のようなワードが対象となったようです。

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これはGoogle側がYMYL領域のデータ制限を設けたものとみています。広告主によるユーザーターゲティングの過剰最適化を防ぐ意図があります。
参考:YMYLとは?検索上位を目指すためのポイントやSEO成功事例を紹介
1月16日:Google検索仕様変更
JavaScriptを無効にしてGoogle検索画面にアクセスすると、「検索を続行するには、JavaScriptを有効にしてください」という表示がされるようになりました。

レベル1:JavaScriptを実行できないスクレイピングの遮断
レベル2:ウェブブラウザでも、JavaScriptを有効にしていない場合に遮断
これにより、多くの順位チェックツールが利用できない状況に陥りました。代表的な例だと「GRC」で、1月時点で「解決の目処が立っていない」というアナウンスをしてから、12月現在においても再開されていません。

人間が検索する上ではほぼ影響がない変化ですが、Googleが提供しているAPIを使わずに順位取得していたツールには大きな影響を与えました。
参考:【GRCはエラーが続き終了?】代替手段は?ERR(KH)のエラーについて:Googleが検索結果画面のスクレイピング取り締まり強化
2月〜4月:AIクローリング・トラフィック増加
各サイトへの「AIクローラー」のトラフィックが急増しました。これは、生成AIやAI検索機能の普及に伴い、自動クローリングが活発化したことが主な要因と考えられます。
業種によっては、前年10月頃と比較して1200%増となった例も見られます。
参考:昔のBaiduspiderよりひどい? 悪質AIクローラーが世界のサイトをゲリラ攻撃【SEO情報まとめ】
6月上旬:国別ドメインが「google.com」にリダイレクト
「google.co.jp」にアクセスすると、「google.com」にリダイレクトするようになりました。
これは他のccTLD(国別コードトップレベルドメイン)も同様です。
2017年以降、検索結果のローカライズは「使うドメイン」ではなく「ユーザーの位置情報や設定」で判断するようになったため、もはや「国ごとにドメインを分ける必要がなくなった」
というのがGoogle側の主張です。

6月頃:Googleの「AIによる概要(AI Overviews)」がテスト的に運用開始
元々は「Google Search Labs」として実験的に実装された機能でしたが、6月頃から検索結果の最上部に「AIによる概要」が表示されるようになりました。
「スポンサー枠よりも上」に表示されます。

これにより「ゼロクリック検索」に拍車がかかりました。

↑「ゼロクリック検索」について知りたい方はこちら!
7月下旬:Yahooサジェスト一部規制解除
これまで「ダイエット」「ワキガ」「不倫」「薄毛」など、センシティブな一部のキーワードは、
Yahooのサジェスト表示において規制対象となっており、「表示不可」とされておりました。

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しかし、2025年7月末頃よりこの規制が一部緩和され、これらのキーワードを含むサジェストが表示できるようになったことが確認されております。
8月5日:パソコン版「Yahoo!検索」でAIアシスタント機能と生成AIによる回答表示機能を提供

Yahoo!トップページに、AIとチャット形式で質問できる「AIアシスタント」機能が実装されました。

「サーチファン」について聞いているのに「サーチファンド」について説明しています。あまり賢くないみたいですね。
参考:パソコン版「Yahoo!検索」でAIアシスタント機能と生成AIによる回答表示機能を提供
8月11日:Bing検索APIの廃止
Bing検索APIが廃止となりましたが、こちらも背景にはAIの成長があるようです。
Azure AI エージェントの一部として含まれる、Bing 検索を使用したグラウンディングに移行することをお勧めします。 Bing 検索を使用したグラウンディングにより、Azure AI エージェントは、LLM で応答を生成するときに、リアルタイムのパブリック Web データを取り込むことができます。

Microsoftで提供している「Azure AI Agent Service」への移行をユーザーに対して推奨しています。つまり「実際の生の検索データ」よりも「AIが生の検索データを分析して生成したデータ」の方を重要視する方向に舵を切ったといえます。
といっても2023年9月に「Copilot」をリリースした時点で、その方向性だったとも言えますが。
8月26日~9月22日:Googleスパムアップデート(August 2025 spam update)
Googleのスパムポリシーで定義される「クローキング」や「誘導ページ」「隠しテキストと隠しリンク」「リンクスパム」などを行っているサイトを「スパムポリシー違反」とみなし、検索順位の下降やインデックス削除などの対応が行われました。
また今回は「AIによって生成されたコンテンツ」の評価の見直しが行われ、低評価とみなされたページの順位が下落したとの声も上がっています。
参考:【2025年8月最新】Googleスパムアップデートとは?概要や対策など徹底解説!
9月9日:Google検索窓に「AIモード」ボタン追加
6月頃に「AIによる概要(AI Overviews)」が実装されましたが、Google検索窓に「AIモード」ボタンが実装されました。

早速AIに質問してみましょうね。

2025年現在のSEO業界において、「サーチファン」という名称が広く一般的に「おすすめのSEO対策会社」として主要ランキングの最上位に挙げられることは稀です。
参考:日本でもついにGoogleAIモードが実装!仕様の詳細や対策について解説
9月9日:LINE AIトークサジェスト機能提供開始
LINEの機能として「AIトークサジェスト」が追加され話題になりました。「AI」のボタンがスタンプの左にあるため、間違って押してしまうことが多く、「邪魔」「消したい」「いらない」という意見が多くあるようです。
AIがあなたに代わって返信を考えたり、ピッタリなスタンプをオススメしたりすることで、便利で豊かなLINEのトーク体験を実現します。

あなたがLINEで話している相手、本当に「人間」ですか?
参考:新登場の「LINE AI トークサジェスト」でLINEのトークを楽しもう!
9月中旬:Google検索が&num=100パラメータを廃止
「&num=100」を検索結果のURLに追加することで、100件の検索結果を1ページにすべて表示できていましたが、そのパラメータが廃止されました。
例えば自分のサイトが「100番目までの何位にいるか」を確認する場合、1度に100件を確認できていましたが、それが廃止され1ページ(10件)ずつ見なくてはいけなくなりました。
これにより、自動順位取得の効率性が低下し、多くのランキングチェックツールに影響が出ました。
参考:Google検索が&num=100パラメータを廃止、SEOに与える影響は?
10月上旬:Googleスポンサー枠が開閉式に
Google検索結果上部に表示される「スポンサー広告」ですが、この部分がアコーディオン式に開閉できるようになりました。

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お金を払って表示している「Google広告」が、「AIによる概要」の下に表示されるようになったり、非表示にすることができるようになったりと、広告出稿主からしたらどうなのでしょうか。
一方で、「広告をクリックされた場合のコンバージョン率は向上するのでは」との声もあるようです。
参考:Googleが検索結果上の広告枠の表示方法を変更、「スポンサー広告」としてグループ表示へ
9月18日:Yahoo!JAPANトップページに「AIアシスタント」追加(PC環境)
8月5日に追加された「AIアシスタント」が、トップページに実装されました。

追加の質問をするためにはログインが必要です。他のAIと比べて自由度が低い気がしますね。
参考:「Yahoo! JAPAN」PC版、トップページにAIアシスタント
10月14日:windows10サポート終了
2023年4月27日にMicrosoft社から発表されていた通り、2025年10月14日に、セキュリティ更新プログラムなどの提供が終了しました。
今後もwindows10のPCを使い続けることができますが、更新プログラムによるサポートが行われなくなるため、ウイルスやマルウェアへの感染リスクが高くなります。
11月7日:LINEのメッセージ送信取り消しの仕様変更

今までは送信から24時間以内であれば「取り消し」ができたLINEのメッセージ。これが1時間以内へ変更されました。
- 取消可能時間が24時間→1時間へ変更(改悪)
これだけを見ると改悪ですが、ヤフーの月額サービスであるYLPプレミアムに加入すると、以下の機能が利用できるようになりました。
- 7日間以内であれば取り消すことが可能
- 未読のメッセージに限り「メッセージの送信を取り消しました」を非表示に
参考:LINEに「通知なしで送信取消」機能がユーザーの声に応えて新登場
11月10日頃:一部環境にてGoogleのUI変更
古いChromeなどを使ったときに、レイアウトの崩れたUIが表示されるようになりました。

AppStoreやGooglePlayストアなどから、最新版のGoogleChromeにアップデートすることで解消します。

11月下旬:Yahoo検索窓に「AIアシスタント」表示(スマートフォン環境)
Yahoo!JAPANのサジェストが表示されるところに「AIアシスタント」による質問が表示されるようになりました。

AIの結果がサジェスト枠をつぶしている状態であり「とうとう出たね…」という印象です。今後、ここの部分が拡大していくことで、サジェスト自体がクエリ由来ではなく、AI生成になっていくことが懸念されます。
来年以降はどうなる?
2025年を通してみると、「スクレイピング対策の強化」と「AIの広範囲化」が目立つ一年でした。
スクレイピング対策の強化
年始早々の「JavaScriptを使用しない検索への対策」をはじめ、パラメータ廃止など、Google公式APIを使用しない状態でのスクレイピングの対策が強化されました。
対策が強化されるということは、それだけスクレイピングを問題視している裏付けでもあります。おそらく、サーバーへの負荷だけが理由ではないでしょう。
今後は、LLM(LLMO)をはじめとする新しいSEO対策が、より一層重要視される時代になりそうです。
AIの広範囲化
Google、Yahooの検索結果において「AIによる概要」が登場し、ユーザーはサイトにアクセスしなくても「得たい情報」を得られるようになりました。
Amazonでも「Rufus ai」や、楽天市場の「AIコンシェルジュ」など、各検索エンジンでAIのベータ的導入が進んでおり、サジェストのパーソナライズ化が進めば、サジェスト対策に影響が及ぶ可能性があります。
自社でも「AIにまつわる新規商材」を発掘していかなければいけないな、と感じます。
2026年はどうなっていく?
2026年は、スクレイピング対策とAI活用の流れが、さらに加速していくと考えられます。
検索エンジン側は「人が使う検索体験」と「AIが利用するデータ取得」をより明確に切り分け、非公式なデータ取得に対しては、これまで以上に厳しい姿勢を取る可能性があります。
一方で、AIによる要約や回答が検索体験の中心になっていく中で、従来の「検索順位」や「流入数」だけを指標としたSEOは、徐々に役割を変えていくでしょう。
今後は、AIにどう引用・参照されるか、信頼できる情報源としてどう認識されるかといった観点が、より重要になっていくと考えられます。
その中で、お客様の集客戦略に「サジェスト対策をどう組み込んでいくか」というのが、今後の課題となりそうです。

2026年もサーチファンをよろしくお願いします!

