本記事は、Google広告アカウントを保有している方向けの記事です。
「キーワードプランナー」とは
Googleキーワードプランナー(Google Keyword Planner)とは、Googleが提供する無料のツールで、主に広告キャンペーン(Google広告)を運営する際に使用されます。このツールは、ユーザーがウェブサイトやビジネスに関連するキーワードを見つけ、それらのキーワードに対する検索ボリュームや競争性の高さなどのデータを提供します。
特にSEO(検索エンジン最適化)やPPC広告(クリック課金広告)を行っている企業やマーケターにとって、キーワードプランナーは不可欠なツールです。今回は、サーチファンplusのサービス「サジェストPR」を行う際の「キーワードの選び方」について解説します。
「キーワードプランナー」にアクセスする
まず、Googleキーワードプランナーにアクセスしてみましょう。
「キーワードプランナーを使ってみる」というボタンを押すと、「Google広告アカウントを選択」という画面が出ます。アカウントをお持ちの方は、選択して次に進みましょう。
アカウントをお持ちでない方は、「Google広告アカウント」を作成しましょう。
↓Google広告アカウントの作成方法については、以下の記事がすごく丁寧でわかりやすかったので、紹介します(‘ω’)ノ
「キーワードプランナー」が開きました。今回は赤枠の中の「新しいキーワードを見つける」しか使用しません。それ以外の機能については、本記事では解説しません。
「検索ボリューム」を測定する
「検索ボリューム」とは、そのキーワードが「1ヶ月でどれくらい検索されているか」を数値化したものです。「月間検索数」と呼んだりもします。
例えば「ネット集客」で検索してみましょう。
虫眼鏡マークの枠に「ネット集客」と入力して「結果を表示」ボタンを押します。一度に10ワードまで入力できます。
結果が出ました。赤枠内を見てみると、320と書いてありますね。
つまり、1ヶ月の間に、Google検索で320回検索されるということになります。ちなみに結果画面だと「ネット集客」が「ネット 集客」(「ネット」と「集客」の間にスペース有り)になっていますが、こちらはどちらも320という認識で問題ありません。
もう一つ、「クリスマス」でも調べてみましょう。
「月間平均検索ボリューム」は450,000と、かなり大きな数字になっていますが、緑枠内を見てみると、12月前後で「2000万」を超えているものの、おそらく12/25の後くらいから低い軌道を描いています。このような「特定の時期に急上昇するワード」も、キーワードプランナーを使えば一目でわかります。
実際のところ、月間平均検索ボリュームは、大きすぎても小さすぎても良くありません。
検索ボリュームが「大きすぎる」と良くないワケ
サジェスト対策が出来る検索エンジンはYahooやGoogleなど様々ですが、Googleでは「対策不可能な検索ボリューム帯」が存在します。大体30,000辺りが上限となっていて、それ以上の検索ボリュームをたたき出すキーワードは、サジェスト表示不可となります。
理由としては「一般ユーザーの検索が多すぎて対抗できないため」です。
Google表示対策の「対策不可能な検索ボリューム帯」
単一ワード:月間検索数が10,000を超えるキーワードは表示不可
複合ワード:月間検索数が30,000を超えるキーワードは表示不可
※「ラーメン」は単一ワードで、「ラーメン 東京」は複合ワードです。
1単語の場合は「単一ワード」、2単語以上で構成される場合は「複合ワード」となります。
↓対策ワードの「単一ワード」「複合ワード」についての解説はコチラから(‘ω’)ノ
それに比べてYahooは、基本的に検索ボリュームに関わらず「対策可能」です。「クリスマス」のようなビッグワードでサジェスト表示対策を行うなら、Yahoo!JAPANがおすすめです。
検索ボリュームが「小さすぎる」と良くないワケ
検索ボリュームが小さいということは、一般ユーザーが検索する機会が少ないキーワード、ということになります。そんなワードでサジェストを表示しても、そもそも一般ユーザーがサジェストを目にする機会が少なくなり、クリックもされなければ、あまり効果が見込めません。
ただし、検索される機会が少ないとは言っても0ではありません。検索されれば、サジェストをクリックされ、サイトへアクセスしてもらえるかもしれません。
実際に、検索ボリュームが少ないとわかっていながらも、「ネット 集客」というキーワードで、サジェスト表示対策をしています。
ご覧の通り、「サチブロ」しか出ておらず、他の会社名が表示されていません。
先ほどの話に戻りますが、「ネット集客」「ネット 集客」は、月間検索数が320あります。つまり、1ヶ月あたり320回程度、サジェストを見てもらえる、ということになります。
他の会社が出ていたらそちらをクリックされる可能性がありますが、上のように「サチブロ」しか出ていなければ、このサイトに来てもらえる可能性が格段に上がります。
サジェストを独占できるという意味では、検索ボリュームが少ないワードも狙い目です。
サイトからキーワードを取得する
「ネット集客」のように、「このワードでサジェスト対策したい!」というものが決まっていなければ、サイト内から対策ワードの候補を取得することもできます。
サイト全体からキーワードを見つける
「キーワードから開始」の右のタブ、「ウェブサイトから開始」をクリックすると、上のような画面が表示されます。
今回は「サーチファンブログ」のURLを入れてみましょう。
このように、サイト内でよく使用されている単語を出力してくれました。「集客 ネット」というキーワードも出てきていますね。
特定のページのみからキーワードを見つける
先ほどはサイト全体を対象にキーワードを出力したので、次はサイト内の特定のページを対象に出力してみましょう。
↑のサイトで見てみます。
「このページのみ使用」を選択し、「結果を表示」を押します。
出てきました。「Youtube」はすごいですね。37,200,000もあります。ちなみに今回スペースの都合上関連性の高い上位10ワードしか出ていませんが、表示する件数を増やしたり、キーワード候補をCSVファイルでダウンロードすることもできます。
ちなみに、Yahoo!JAPANなら「Youtube」というキーワードでも対策可能です。
「サジェスト対策ワード」を選定する
それでは、どのように「対策ワード」を選べばよいのでしょうか?「このワードで対策したい!」というのが決まっていないようであれば、上記の手順を使って選定できます。
一つ、例を見ていきましょう。
「Yahoo!JAPAN」での対策ワード
こちらのクライアントにサジェスト対策を提案するとします。
- 全国展開している居酒屋チェーン店経営者
- 居酒屋自体の知名度はある
- 今は11月頃
- 売り上げが低迷している
- Yahoo!JAPANでの対策を行いたい
先ほども例に挙げたように、Yahooでは「Youtube」のようなビッグワードでも表示が可能です。せっかくなので、ビッグワードでのサジェスト表示対策を提案してみましょう。
例えば「居酒屋」はどうかな、と考えましたが、元々知名度のあるお店なので、今更「居酒屋」から店舗の知名度を上げるためのブランディング対策を行うのも、なんだかもったいないです。
そこで、今が11月ということも踏まえて、「忘年会」での対策を提案することにしました。
流行り病も落ち着いたことで、年々忘年会を行う人たちが増えています。各企業では、若手社員が忘年会の幹事を務めるケースも少なくありません。ただ、候補が多すぎて、どこを選べばいいのか迷ってしまう…。
そこで「忘年会」というキーワードです。
「忘年会」と検索した時に、居酒屋の店舗名が出ていれば「この店舗は人気なんだ」と認識します。何故ならサジェストは、たくさんのユーザーの検索を元に表示されているものだからです。
・実際のサジェスト
・サジェスト対策を行った場合のイメージ
また、「忘年会」のサジェストには、他の居酒屋の名前が表示されていないため、サジェストを独占することができます。2023年の12月頃は月間200,000回程度検索されていたので、今年はそれ以上が期待できます。これで忘年会シーズンは、連日満員御礼となることでしょう。
ただし、Yahoo!JAPANは全国どこから見ても同じサジェストが表示されます。「忘年会」というビッグワードで表示されていることで、遠方の北海道や沖縄の人がサイトから問い合わせてきて、対応が増えてしまう可能性もあります。ある程度ターゲットを絞りたい場合は「忘年会 東京」のように、エリアを絞った方が良いです。
忘年会シーズンが始まってからご依頼いただいても、一般ユーザーの検索が多すぎて表示できない場合がございます。11月くらいから前もって表示しておくことで、忘年会シーズンを通して安定表示できます。
Yahooサジェスト対策ワードを選ぶポイント!
・Yahooでは比較的ビッグワードでも表示が出来るので、大きな集客が望める
・全国的に同じ表示なので、全国的な知名度アップにつなげることが出来るが、
場合によってはエリアを絞る必要あり
・繁忙期があるワードは、前もって依頼いただくと表示が安定する
「Google」での対策ワード
続いて、こちらのクライアントにサジェスト対策を提案するとします。
- 渋谷区代々木に出店しているラーメン店
- 起業したばかりで知名度は低い
- 渋谷区だけでなく、いずれは全国的に有名になりたい
- まずは集客を増やして、リピーターにつなげたい
- Googleでの対策を行いたい
サジェスト対策は、起業したばかりの方のスタートダッシュによく使われます。広告費用なども出せないため、低予算で、効果的な施策を望まれます。
まずは「ラーメン」の月間検索数を見てみましょう。
↓
月間検索数が37,200,000もありますね。これだけ検索数があれば、効果も絶大なはずです。沢山の人がサジェストを目にしてくれるでしょうし、クライアントにも喜んでもらえるはずです!
………しかし、本当に「ラーメン」が最適なのでしょうか?
先ほども申し上げたように、月間検索ボリュームは大きすぎても小さすぎても良くありません。
まず前提として、今回はGoogleの提案であり、Googleの場合、単一ワードは10,000以上だと表示不可でしたね。その為、別の「複合ワード」を選んであげる必要があります。
あと、例えばあなたが「ラーメン食べたいな」と思った時、どういったワードで検索するでしょうか?おそらく「渋谷 ラーメン」のように、エリアとセットで検索するはずです。ですので「ラーメン」で表示されていたとしても、実際の集客には結びつかない可能性が高いです。
それでは「渋谷 ラーメン」だとどうでしょうか?
「渋谷 ラーメン」でも、90,500もあります。1日当たり300回以上検索されるので、すごく人気のあるワードですが、複合ワードでも、30,000以上だと表示不可となりますので、更にワードを絞ってあげる必要があります。
「渋谷区 ラーメン」だと、390程度しかありません。1日当たり33回しか検索されない計算ですが、サジェストの枠が埋まっていないため、全国的なサジェストPRが可能です。全国的に有名になりたいクライアントの希望に合った対策ワードと言えます。
※サジェスト枠が埋まっているワードにおいては、地域ごとに表示結果が変わるため、特定の地域でしか表示されない可能性が高いです
ただし「渋谷区 ラーメン」は長期的に見れば効果的なワードですが、即効性には欠けます。やはり月間検索数でいえば、5,000~20,000はある方が、よりたくさんのユーザーに見てもらえるので、効果を見込めます。
ということで、今回は店舗がある「代々木」を対策ワードに含めて、「代々木 ラーメン」で提案することにしました。1日当たり270回は、悪くない数字です。「リピーターを増やしたい」というクライアントの意向を汲んで、まずはターゲットエリアを絞ってのサジェスト表示対策を提案します。
・実際のサジェスト
・サジェスト対策を行った場合のイメージ
Googleサジェスト対策ワードを選ぶポイント!
・対策不可能な「月間検索ボリューム帯」がある
…単一ワードは10,000以上、複合ワードは30,000以上は不可
・サジェスト枠が埋まっていないワードは、全国的な表示が可能
・サジェスト枠が埋まっているワードは、特定の地域でしか表示されない可能性が高い
まとめ
今回は「Googleキーワードプランナー」を使った、サジェスト表示対策における「対策ワード」の選び方について解説しました。「このワードで表示したい!」という希望があっても、検索エンジンによっては、対策不可(表示不可)となる場合があります。どの対策ワードが良いか決められない場合は、サーチファンplusまでお問い合わせくださいね。