毎年12(いいじ)月12(いちじ)日の「漢字の日」前後に発表される「今年の漢字」。公益財団法人「日本漢字能力検定協会」が1995年から行っている取り組みで、今年は「熊」が選ばれました。理由としては全国各地で熊の被害が相次いだことや、パンダ(=熊猫)が中国に返還されたことなどが挙げられています。

「今年の漢字」は、Webサイトとハガキで「その年の世相を表す漢字一字とその理由」を募集し、最も多く集まった漢字が選ばれる投票制を取っています。この仕組みはサジェスト表示のシステムともよく似たものです。サジェスト表示はフォームやハガキを使うものではありませんが、検索行動が一票となり、ワードを検索窓に入力した際にその結果を反映したものが表示されます。サジェスト表示とは、いわば投票結果なのです。
そこで今回は同じ投票制と捉えることができる、「今年の漢字」と比較しながらサジェスト表示について解説していきます。
集計して上位を発表
「今年の漢字」は、毎年11月1日から12月9日まで募集を行っています。その後集計し、原則12月12日に京都府の清水寺にて発表。発表の瞬間にはメディアでの中継が入り、その様子はニュースなどで伝えられます。
サジェスト表示は、特定の期間内に多く検索されたワードが集計され、上位のワードが更新日に発表される仕組みです。更新日は検索エンジンによって異なり、Yahoo!では基本的には毎日、Googleでは不定期で訪れます。サーチファンの調査では2025年12月16日時点でのGoogleの直近の更新日は12月9日頃で、その前は12月2日頃でした。集計結果を発表する日である更新日までに検索回数が多ければサジェストに表示され、少なければサジェストから姿を消します。これがサジェスト表示の基本的な仕組みです。
表示される数に上限があるところも、「今年の漢字」とサジェスト表示の共通点です。「今年の漢字」は、最大の得票数を獲得した漢字だけではなく、トップ25までがWebサイトに掲載されます。一方でサジェスト表示は、Yahoo!ではPC版・スマホ版共に10枠、GoogleではPC版では10枠・スマホ版では8枠が上限です。ランキング外のワードは表示には至りませんが、ワードによっては検索エンジンに認識され、検索ワードを追加することで表示される場合があります。例えば「こ」を入力しただけでは「今年の漢字」が出なくても、「こと」まで入力すれば表示されるようなイメージです。これはランキング外の漢字に票が集まったかがわからない「今年の漢字」とは違うポイントと言えます。


世相と地域差が表れる
「今年の漢字」は世相を表すものです。「今年の漢字」のトップ3を見てみると、1位の「熊」は最初に書いたように熊被害の拡大やパンダ返還が理由として挙げられています。2位の「米」は米価の高騰や備蓄米の放出、米国のトランプ大統領の相互関税政策など。3位の「高」は内閣総理大臣に高市早苗氏が就任したことや物価高騰、国内最高気温の更新などが理由です。いずれも今年を象徴するような一字となっています。
サジェスト表示にも世相が反映されます。例えばGoogleの検索窓に「熊」と入力すると、「熊 被害」や「熊 出没」、「熊出没マップ」がサジェストに表示。Yahoo!でも「熊 出没 マップ 全国」や「熊出没マップ」、「熊よけスプレー」が表示されます(※いずれも2025年12月16日現在)。これらは「今年の漢字」で「熊」が挙がった理由とも繋がる、人々の熊への不安が表れたワードです。特にYahoo!とGoogleのどちらにも表示されている出没マップの需要の高まりが感じられます。


マップといえば、「今年の漢字」は昨年初めて都道府県別の集計結果を公表しました。昨年は全国的には「金」が1位となったものの、地震や豪雨で被害を受けた北陸地方や九州地方では「災」や「震」、県知事選挙があった兵庫県では「選」が最多。地域差が表れる結果となりました。
2025年版は現時点ではまだ公開されていませんが、例えば「大阪・関西万博」が開催された大阪では「万」や「博」が1位になることもあるかもしれません。
Googleに限っては、サジェスト表示にも地域差が表れます。例えば「明日の天気」と検索窓に入力した際、東京都渋谷区では「明日の天気 東京」や「明日の天気 渋谷」などが表示されますが、大阪府大阪市で表示されるのは「明日の天気 大阪」や「明日の天気 梅田」など。ユーザーに合わせたサジェスト表示となっています(※いずれも2025年12月16日現在)。


情報伝達速度の速いサジェスト表示
ちなみに、「今年の漢字」をGoogleとYahoo!の検索窓に入力すると、2025年12月16日現在は「今年の漢字 熊」がサジェストに表示されます。「今年の漢字」のサイトを見る前どころか、検索結果を見る前に既に「今年の漢字」に何が選ばれたのかがサジェスト表示によってわかる状態です。サジェスト表示の情報伝達速度は、ある意味検索よりも早いと言えます。このような話題性の強いワードに関してはサジェスト上位に急上昇する傾向があり、特にほぼ毎日更新があるYahoo!では何か大きな話題があれば翌日には表示されることが多いです。不定期更新のGoogleでも特例的に素早く表示されることがあります。


ここまで「投票」をキーワードに、「今年の漢字」と比較しながらサジェスト表示について解説してきました。投票によって決まる、枠に上限がある、世相を表す、地域差がある……などなど、この二つには多くの共通点があります。しかし、「サジェスト表示はサーチファンで購入できる」という点は大きな違いです。
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